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「…卒業したらさ、俺と付き合ってほしい」
「…え?」
高校で文理が分かれ、あまり会うことのなかった二人だったが、偶然同じ体育委員でその日は体育倉庫に二人きりだった。
突然幼馴染の口から明かされた告白に、梨花は頭が真っ白になってしばらく陽平の顔をポカーンと眺めていた。
「え、どうしたん急に」
「いや…今なら言えるからと思って!」
陽平はいつものようにあっけらかんと笑っている。
耳が、少し赤かった。
「…なんで私?」
「んなこと恥ずかしいから言わせんなよ!」
「あんた変わってるわ」
「俺もそー思う」
「はぁ!?」
「ごめんごめんって!」
しばらくの沈黙。
今まで心地よかった陽平の隣が、今日はなんだかぎこちなかった。
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