第1章 告白

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沈黙のあと、陽平がぽつりと口を開いた。 「卒業してからでいいんだ。お互い、今受験大変だろ。俺お前がめっちゃ頑張ってるの知ってるから。」 「うん…そうだね」 「でも、今言っとかないと誰かに取られると思ってさ! …俺じゃ、ダメかな?」 「そんなの、いきなり言われても分かんないよーー」 「ん、まあそうだよな」 陽平は体育倉庫の窓からグラウンドを眩しそうに見た。 いつも陽平がいた春の日差しが降り注ぐグラウンドが、いつもより切なく見えた。 もうすぐ夏が来て、陽平もサッカー部を引退する。 そっか、もう当たり前のようにグラウンドで駆け回ってた陽平の姿が見られなくなるんだ。 大学生になったら、もっと会えなくなるんだ。 どうやって答えるのが正解なんだろう。 「陽平は私の大切な幼馴染だよ。でも、恋とか私分かんない。ほら、不器用だし」 梨花は平静を装って淡々と続けた。 「答えは、卒業してからの自分に聞いてみなきゃ分かんない。ごめん」 「…そっか!」 「でも私、今はずっと陽平とは大切な友達でいたい…」 「そうだよな、うん、これからも仲良しでな、よろしくな」 陽平は少し寂しそうに笑って顔をそらした。 中学の時は見たことがない顔だった。
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