第2章 なんで安心しているんだろう

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「…慎ちゃん、おれ、ふられた」 「え?陽平、おま」 「まー完全にふられたわけじゃねーけどー 別に落ち込んでねーけどー」 「ふてくされてる…」 お昼休み、田村陽平のクラスメイトの大野慎太郎は、上の空で味の分からなくなった卵焼きを頬張った。 「告ったって…あの子か?橋本梨花さんか?」 「うっせーよ、そーだよ」 「まーそりゃ高嶺の花ですよ」 「え、あいつモテんの?」 「まぁ、うちの男バレにも告ったやつとかいたし」 「マジかよ!?」 「まぁだって…かわいいじゃん。運動神経いいし。頭もいいし。性格もいいし。」 「めっちゃ褒めるな、お前。なんか怪しー」 「べ、別に好きとかじゃねぇぞ?」 陽平は朝からずっとふてくされているので、慎太郎の異変に気がつかない。 そう。 慎太郎は梨花に一目惚れしてしまっていたのだった。
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