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っていったら、みんなはちょっと見合って、ちょっと笑った。
笑いながらちえ美さんが、あたしの手におかしをのせた。
「あ、げ、る。ねえ静江ちゃん、今度その人紹介してよ。こないだちらっとフードの中が見えたら、ものっそカッコよかったんすけど。年もずいぶん若いみたいだし。かなり王子度高かった」
そしたらみんな一度にわいわいしゃべりだした。
「若いの? ここじゃ、若いってだけで十分貴重!」
「あたし明日、絶対顔見る見る見る」
「期待しないほうがいいよ、『夜目遠目笠の内』かも」
「なにそれ?」
「よく見えないシチュエーションだと、きれいに見えるっていう意味」
「あんた、おばあちゃん?」
「は?」
「なんちゃらいう国会議員の紹介だよね」
「ねえ、あんたたち、うすうす思ってたけどさあ」
「ルリ子に聞いたらわかるんじゃない? 議員さんの跡取り息子だったりして」
「えー、親が紹介するう?」
「いや、外で変なのに引っかかるより、って感じだよ、きっと」
「ちょと、聞いてんの?」
「はい、半分こ」
あたしはちえ美さんからもらったおかしを、眞知子さんにあげた。
「……ありがと、静江ちゃん」
あたしのぶんをぱくっと一口で食べて、あたしはもぐもぐしながらいった。
「なら、いっときます。でも、あの人はプロの変態ですよ」
「プロって」
みんなは笑って、それからあたしにずりずりよってきた。
「どんな系? 何、けっこうハードなの?」
「痛いのと汚いのはヤだな、M男なら大歓迎だけどさ」
「マンガの俺様キャラはいいんだけど、現実のおらおら男は最悪だもんねえ」
「だよねー」
あたしはまた指を口にあてて考えた。
「えっと、あの人、あたしとはコスプレごっこであそぶだけで、エッチはぜんぜんしないの。服とかかつらとか道ぐとか、ぜんぶあの人が持ってきて、さいきんのせっ定は、女子高の先生と生とで、あたしが先生なんだけど、先生ってどういうふうにするんだか、あたしぜんぜんわかんなくて……それに、ほんとは男の人のが好きなんだって」
「そうなんだー」
口をそろえて、みんなはソファにもどった。
「あーあ、このごろ、いい男はみんなゲイなんだよなー」
ちえ美さんがため息をついたら、たまゑさんが笑いながらせ中をたたいた。
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