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「ちゃんと…好きだったから」
「え…?」
「由麻のこと、本気で好きだった」
「…」
「結婚おめでとう。幸せになれよ」
「コウちゃん…ありがとう…」
記憶の中の由麻はいつも辛そうで、悲しそうで。
最後の泣き顔ばかりが浮かんでは、消えていた。
だけど今、コンビニの前で泣きながら笑う由麻の笑顔は太陽よりも眩しくて可愛くて。
この笑顔が心の底から好きだったこと、思い出した。
由麻、ごめんな。
あのとき言えなくて、泣かせて、傷付けて。
俺も由麻とのことを早く思い出にできるように、前に進めるように。
あのとき言えなかった言葉達を…
「由麻、ありがとう。…さようなら」
一年越しの“ありがとう”と、“さようなら”を、キミに精一杯捧げるから。
キミに捧ぐ、“Say Goodbye” / 終
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