0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あぁ、緊張しないで。雑談だからさ」
「え?」
「いや、元気が無いように見えたから、不安なんだろうなって」
「まぁ、それは正直」
「だよね。俺も初めて店の面接を受けたときとか、やばいところに来ちゃったかなぁって思ったもんね」
「そうなんですか。え?俺?」
「あぁ、よく間違われるんだけど、俺は男」
「えぇ?!」
「うーん。なんだってみんな同じ反応なんだろうなぁ…。まぁいっか」
「えっと?男の人で身体が女で」
「いや、心も体も男だから」
ケタケタと笑っているのは、私の緊張が少し和らいだのを感じ取ったからだろうか。話の流れからすれば、こんなやり取りは日常茶飯事なんだろう。
「あの、なんか失礼なことを言ってすいません!」
「いいよいいよ。でさ、もしこの後時間あるなら、体験入店していく?」
「え?即日ですか?!」
「だめなら他の日でもいいけど、どうする?給料は出すよ」
最初のコメントを投稿しよう!