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 ――私はいつか、あの青い大空をこの翼で飛べるだろうか。  この世に生を受けて間もない私……いや、私達と言うべきか。  くちばしを持ち、両手が翼で生まれた私達は、この世界では『鳥』と言う生き物らしい。  鳥と言う生き物は一度に大勢の子供を産むと言う。  だから私の周りには沢山の兄妹達がいる。  そして私は、この小さな巣の中で大勢の兄妹に囲まれて母親の帰りを待っている。  身体が小さく、まだまだ未熟な私達は自分の力で餌を取りには行けない。  外に出ている母親が帰って来るまで、私達は食べ物にありつけない。  でも、母親が帰って来たとしても、必ず食べ物にありつける――という訳ではない。  外は危険がいっぱいで、母親は毎日命がけで食べ物を求めるからだ。  命がけだからこそ、失敗も多い。何もない日も少なくはなかった。  例えお腹が空いていても、私達は母親に文句など言えない。  言ってしまえば、私達は私達を生んでくれた母親の優しい心を踏みにじることになってしまう。  そんなことは出来ない――母親は……お母さんは。  毎日毎日……私達の為に頑張ってくれているんだから。  だからこそ私達は、いずれ来る――『成鳥』になるその日を待ち続け。  いつかお母さんのような立派な翼で、あの広い大空を優雅に飛ぶのだ。  お母さんが私達を生んでくれたように。  私達も自分達の子孫を残して、その想いを伝える……そう信じて。
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