執事は意地悪

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「なに。図星?」 「……いいえ。奏様には、まだ話していませんでしたね」 奏のスクールバッグを持ったまま、何故かいつもより覇気がない表情でそう前置きした。 「は?なにが?」 「……奏様。私は、今まで奏様のことを可哀想だと思ったことなど一度もございません。私も、少し同じようなことを経験した身ですので」 ……どういう意味だろうか。 まさか、冬河にも母親がいないのか?だったら、なんで早く言わないのだろうか。 「ああ、ちなみに言うと、私の母と父は現在もおそらく生きています」 「……はあ?おそらくって……どういうこと?」 「私は、両親に捨てられました」 ……えっ? 冬河が、両親に……?
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