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抱き、つかれ……た?
端から見たらどう映ったのだろう。愛を語らっているように見えたのだろうか。女子に迫られて、離れようとすると逃さないとばかりに指先に力を入れられて。かといって、そんな気もないのに抱きつき返すこともできず、変にエビ反りになって膝カクカクさせて。
実際は変な脅迫をされているのにも関わらず、俺は妙に興奮していた。
一体、なんなんだこの女。俺をどうしたいんだ。
「来澄凌、あなたが“干渉者”である証拠を見せてあげる。もし、目を瞑った後に“レグルノーラ”へたどり着けば、あなたは自分の隠れた力を認めること」
「へ?」
「もし、目を瞑っても何も起こらなければ、私はあなたと今後一切関わらない。それで納得できるでしょう」
「ちょ……ちょっと待って、芳野さんてば。何を言って」
「いいから。目を瞑りなさい」
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