突然の告白

1/7
24人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ

突然の告白

「すみません。よく聞き取れなかったので、も、もう一度、言ってくれますか」  私は制服のスカートの生地をぎゅっとにぎりしめていた。手の中にも、背中にも、へんな汗をかいている。 「だっ。だからっ。清水さんのことが好きだから、つきあってくれって言ってんの!」  東くんは声を張り上げると、赤い顔して、私から目をそらした。  聞き間違いじゃなかった。たしかに、好きだって……。言った。  ありえない。東くんみたいな目立つグループの男子が、私のような、真面目だけがとりえの、日陰の底辺女子を好きになるなんてありえない。  聞き間違えでないとするならば。もしや。この告白は。 「ば、罰ゲームですか?」  そうだ。罰ゲームに決まってる。仲間たちに嫌々言わされてるんだ。  東くんは、その大きな瞳を、ぱちくりとしばたたいた。そして。 「…………え?」  と。すっとんきょうな声を漏らしたのだった。        
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!