先生の誕生日。

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「坊主。これも味見をしてみるか? これは、何を隠し味にしたと思う?当ててみろ」 料理長らしき人は、あれからも 色々と味見をさせてくれた。しかも睦月君は、 それをすべて言い当てていた。凄過ぎる。 すっかり気に入られてしまい 「大きくなったら、ウチに来い!」 そう言ってスカウトまでされた。 凄いわね……もしかしたら将来は、コックになる 可能性もあるのかしら? 似合うといえば似合いそうな気もする。 ちょっと先生で想像してしまった。 そして帰り道。味見をしていたせいで かなり遅くなってしまった。 タクシーに乗り帰りを急いでもらう。 「睦月君凄かったねぇ~味見させてもらえて。 よく隠し味とか分かったね?」 嬉しそうに話しかけるが睦月君は、 何だかぐったりとしていた。あれ? 顔が赤いような……? するとハッとする。慌てて睦月君のおでこを触った。 やっぱり熱がある……そういえば、 味見の時に喋りっぱなしだったわ!? どうしよう……途中でやめさせるべきだった。 睦月君にとったら話す事は、ストレスになるのに 私の馬鹿……。 オロオロしながら居ると自宅マンションに着いてしまった。 私は、怒られる覚悟でお金を払い 睦月君を抱きかかえるとタクシーを降りた。 そして、インターホンを押して 先生にオートロックを開けてもらい急いで エレベーターに乗り上がった。 ドアを開けて待っていてくれた先生は、 この状況に驚いていた。 「随分と遅かったな……ってどうした!?」 「すみません。私の不注意で 睦月君お喋りし過ぎて熱を出してしまいました」 「はぁっ?拓馬君の所で遊んでいたのだろう? アイツ…睦月の性格よく知っているから 熱出すほど喋らせないと思うのだが……?」 先生は、ぐったりしている睦月君を受け取り 抱きかかえながら言っていた。 うっ……ごもっともです。 「お前……一体俺に何を隠しているんだ?あぁ?」
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