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東側に位置するハヤとハヤの両親の居住スペースと化した部屋で、ハヤはいつものように一人で布団にもぐって思案した。
その日はたまたま、音楽の勉強をさせようとするハプトから逃げ回るうちに侵入したこの場所。北側のこの場所に近づいて建物の雰囲気が違うことに気付いてしまい、件の扉を見つけてしまったのだ。
この部屋にはなにがあるんだろう?
みぞおちあたりから、胸の真ん中あたりがキュウと絞られるような感覚が、ハヤの好奇心を増幅させる。
各研究室の透明なプレートにはぐんじょう色で研究室名が書かれてあったり、番号が書かれていたりするのに、この部屋の打ちっぱなしのコンクリートにそのまま貼り付けただけのようなほこりで汚れたプレートにはなにも書かれていなかった。
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