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誰も入らないよう、開けられないように細工したとしても、とても雑なやり方だった。と言っても幼いハヤにはそんなことはわかりもしなかったがこの鍵版のコードを解く作業にすぐに取り掛かった。
鍵版の痕跡は焼き切られてずたずたになり、鞄から取り出した端末ではとてもコード解析に至ることは難しい。
そこでハヤは、おもむろに床に這い蹲り、ぺたぺたと叩き始めた。
「自動ドアが体重で開く古いタイプならそこを壊したらいいかなあ。」
鞄の中のハヤのお気に入りの道具でもあるスパナを持ち、それを強く床に叩きつけた。
ギーン!と鈍い音がして、床に傷がつく。しかしそれだけで、扉はびくともしないどころか床の傷はほんの小さなものだった。
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