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【初ライブを終えて】
理香「本日は最後までお聴きいただきありがとうございました!私たち、虹色ぱれっとを今後ともどうぞよろしくお願いいたします!!」
16時。
最後の曲「星影のワルツ(千昌夫)」を演奏し、虹色パレット発足後初となるライブがつつがなく終了した。
観客は「神田川(かぐや姫)」では瑠奈のバイオリンが奏でる哀しげな音色に涙し、「365歩のマーチ(水前寺清子)」では芽琉のトランペットが奏でる元気な音色に高揚し、「朧月夜(唱歌)」では理香のキーボードが奏でる優しい音色に癒された。
そして「アンパンマンマーチ(ドリーミング)」や「青い山脈(藤山一郎&奈良光枝)」では里穂と麻耶の歌声に導かれて観客も一体となって歌うなど、ライブは盛況だった。
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優子「初ライブ成功おめでとう!とても良かったわよ!!」
打ち上げを兼ねた夕食会で優子は5人を褒めちぎった。
瑠奈「ありがとうございます。怒涛の2時間でしたよ」
理香「疲れたー!」
麻耶「2時間はちょっと長かったね」
芽琉「ですね。現状だと2時間が限界かも…」
里穂「でも終わってみればあっという間だったわね。優子さんは今回のライブ、どんな印象でしたか?」
優子「そうねえ。お客さんからの受けも良かったし、選曲もバッチリだったと思うわよ?」
瑠奈「そうなんですよ、選曲をどうするかで一番悩みました。恐らくここに通って来られる方は60代ぐらいの人が多いんじゃないかと踏んで昭和の歌謡曲を中心に選んだんです」
瑠奈の説明に優子は感心しきりだった。
優子「そのリサーチ力もすごいわね!お客さんも言っていたけど、あなたたちは本当によく勉強しているなと思う。これからの活躍がますます楽しみね」
瑠奈「えへへ…」
優子「ところで虹色ぱれっとにはファンクラブとか後援会はないの?」
麻耶「なんと恐れ多い!そげんと、発足したばかりのアマチュアバンドには作れんですよ!」
麻耶がぶんぶん手を横に振りながら言った。
優子「あら残念。じゃあファンクラブができたときのために公言しちゃおうかしら。私が第一号のファンね」
芽琉「え…本当ですか⁉︎」
優子「ええ。あなたたちのライブに懸ける情熱やライブに対する姿勢、そしてライブでの盛り上がりを見ていたら自然とファンになっちゃった」
優子はそこで水を一口飲んだあと、また話しを続けた。
優子「私は店主としても個人としてもあなたたちを応援するわ。口コミで虹色ぱれっとの存在を広めてもいいし、もしまたここでライブをやるのなら今回みたいに場所を提供してもいい。いずれにしても応援しているわ。これからも頑張って!」
「「「「「ありがとうございます!」」」」」
一同が喜んだのは言うまでもない。
理香「やったあ、ファン第一号だって!苦節十年、ようやく報われたね!!」
里穂「ええ、そうね。…って、今日初ライブをやったばかりでしょうが!」
麻耶「あはは、里穂ちゃんがツッコミ役って珍しいよね」
芽琉「ルナ姉、よかったね!」
瑠奈「ええ、これを機にもっと精進しなければ…」
ーーー虹色ぱれっと初のライブにして初のファン獲得。
4月10日はあらゆる意味でメモリアルデーになった。
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