第1章

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第1章

真夜中のハイウェイ。1週間の出張を終え、やっと家路に着ける安堵と、隠しきれない疲労感とともに、僕はアクセルを踏んでいた。  車はほとんどなく、深い闇の中、ヘッドライトを頼りに快調に運転を続けていた。  今回の研修は1週間、ずっとホテルに缶詰状態で、慣れないホテル生活、夜は外食が続いたため、新しい知見や仲間は得られたものの、既に頭は飽和状態。  心身ともに疲れた1週間だった。  明日は1日休んで、明後日からまた出勤。  ただ1週間ぶりの出勤は、日常化された会社の業務の中に、少し新鮮な気持ちを僕に与えることだろう。  疲れを感じながらも、逆に気分は高揚している自分がいた。
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