真夜中に目は覚める

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真夜中に目は覚める

目が覚めると、首の後が冷たい汗で濡れていた。湿っていたというほどではなく、ビッショリと濡れていたんだ。鼻息も荒く、鎖骨から胸へかけて胸糞の悪い想いが充満していた。 そして、一筋、左目から涙が零れ落ちた。 鼻から息を大きく吸って、肩が震えて、口から大きく息を吐いた。 これで、なんとか落ち着いた。 そう思いたかっただけかもしれないけれど。 とにかくボクは再びベッドに横たわり、タオルケットを肩まで被って、眠ろうと試みて目をつぶった。 心臓の音は早まっていない。脈も落ち着いているんだろう。もう息も荒くない。汗もかいていない。 だのに、やっぱり眠れないんだ。 天井に向かって仰向けになって、息を大きく吐いた。 気持ちはもう落ち着いているはずだ。 そういえばどうして目が覚めたんだ。 こんな真夜中に。 嫌な夢を見ていたはずだ。 …どんな? あれ、思い出せない。 えーと、んーと、あれ、まったくもって思い出せない。 ベッドから半身飛び起きるほど、汗でビッショリ濡れるほどに怖い想いをしたはずなのに。 えーと、なんだっけ、どんなだったっけ、なんで思い出せないんだ。 ついさっきのことじゃないか。 んーん、気になって眠れない。     
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