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「僕にも見せてよ」
っていわれたので、カーテンを大きくひらいた。
譲次さんはまぶしそうに目を細めて、
「積もったねえ、たった一晩で」
っていった。
あたしのしたことでもないくせに、あたしはへんにはずかしくなって、カーテンをごしょごしょいじりながら、
「うん」
っていった。
譲次さんはうでをさすった。
「えりすごめん、僕のフリース取ってくれる?」
あたしは全そく力でクローゼットに行って、譲次さんの青いフリースをとってきた。
かたにかけたら、譲次さんはにこっとして、
「ありがとう。なら、もう行っといでよ。こっちの窓から直接、外へ出られるんだろ」
っていった。でもあたしはやっぱりはずかしくって、カーテンを体に巻きつけて、
「ううん、いい」
ぐるんぐるんって左右にまわった。
譲次さんはばかな子どもを見るみたいな目であたしを見て、
「いいや、気が済むまで雪で遊んでおいで。気がじゅうぶんに済んでから、朝ごはんにしよう。さもないとえりすはいつまでも上の空だろうしね。僕は、昨日みたいに熱々スープを鼻につっこまれたくないよ、さあ」
っていった。
あたしはぐるんぐるんをやめた。
ずっとベッドにいてつまんないせいか、譲次さんはちょっとこのごろいじわるっぽいって思った。
そりゃあたしは、きのうのばんごはんのとき、スプーンで食べさせてあげようとしてスープをはねかした。でも、それはほんのちょびっとだったし、そんなにあつあつでもなかった。譲次さんだって「なんともないよ」って、いった。
それなのに、次の日になってそんなふうにいうなんて、ちょっとひどいと思った。
あたしは巻きついたまま下や横を見ながら、
「じゃあ、ちょっとだけ、外行ってこようかな……」
そこでさっとカーテンからぬけ出て、口にキスしようとした。譲次さんはすばやく頭をそらせてよけた。からぶりになって、あたしはふとんに顔からつっこんだ。
譲次さんはおこった声で、
「だめだって、うつるよ」
っていった。
あたしはふとんから起きて、首をぐにゃぐにゃさせた。つんとした鼻をごしごしこすって、
「うつるなら、もうとっくだよ。譲次さん、ひどい」
っていった。
そしたら譲次さんは首をかしげて、
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