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大ばあちゃんが亡くなってから琉太の家族は心なしかしんみりとしていた。
当たり前に笑うし、当たり前に日々を過ごすが家族の一人がいなくなるということは日常が一つ欠けるのだから、慣れるまでには時間がかかる。
琉太にとっては、はじめて目の当たりにする家族の死なのだから、気が抜けても仕方ないのだ。
春から通い始めた小学校。
そこまでの通学路の横には一級河川が流れており、下校時にそこに降りかかる夕闇を眺めていると琉太はつい泣きそうになる。
河川敷には釣りをする人やジョギングをする人、犬の散歩をする人など、それぞれの時間を楽しんでいるが、琉太には大ばあちゃんと一緒に散歩した日が思い出されてならない。
人はいつか死ぬものだと分かってはいたが、理解することと現実を目の当たりにするのは、やはり違うのだ。
琉太はもとより活発な子供ではないし、両親も共働きでわがままを言いづらい家庭環境でもあり、いつも近くにいてくれたのは、ばあちゃんであり大ばあちゃんだった。
その一つが欠けたのであるから、友達たちと無邪気にはしゃぐことも大ばあちゃんに悪い気がしてしまう。
小学校の仲間たちは、気を遣ってくれているのが琉太には分かるが、それを簡単に受け入れるほどの時間はまだ過ぎていない。
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