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今日も亮は転びまくる。それにめげずに何度も立ち上がる亮。それに付き合う琉太。
三十分ばかり練習をして琉太が亮に提案をする。
「少し休憩しよう。亮、頑張り過ぎだよ」
亮は息を切らせて首をたてに振る。
「少しだけなら」
公園の水飲み場で二人とものどを潤し、ベンチに並んで座り一息つく。
その後ろから声がする。
「やぁ琉太」
琉太と亮がすぐに振り向く。
「大地!」
大地が笑顔を見せながら立っている。
「誰?」
亮の疑問に琉太より先に大地が答える。
「はじめまして。幽霊の大地です」
きょとんとする亮に琉太が慌てて説明をする。
「大地は、亡くなった人の未練を晴らす幽霊なんだ!怖くないから!」
「未練?別に怖くはないけどさ」
不思議そうな亮にわたわたと慌てる琉太。
その中、涼しい顔の大地が一言告げる。
「二人とも着いてきて」
「分かった」
そう答えたのは亮だった。
すたすたと歩きだす大地のあとを亮が追って、そのあとを琉太が追う。
「亮、気にならないの?幽霊だって信じるの?」
「琉太が僕に嘘をつく理由なんてないだろ?」
「まぁ、そうだけど」
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