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それを用意するのは、母の日もあれば、ばあちゃんの日もある。
大人びて穏やかな琉太が、子供らしく振る舞う。
それが家族にとって嬉しいことなど琉太に気付くことは出来ないが、家の中に笑い声が増えていることには琉太も気付いている。
大ばあちゃんを見送ったときは、再びそのような声が蘇るとは思わなかったが、今の姿を見てくれているなら大ばあちゃんも喜んでくれるかも知れない。
シャワーで頭を洗い、ボディソープで体を洗い、湯船にぽちゃりと肩まで浸かって、ふうと息を吐く。
湯船に浸かっているときは、つい天井を見る。
どのように補助をしたら亮は二輪車に乗れるようになるかを考える。
全然乗れないと言っても、亮は一週間前に比べて転び方がうまくなった。
最初は派手に擦りむいていたが、今では擦りむくことは少なくなった。
上達の証拠だ。
更に亮が一生懸命であるだけに、応援することにも力が入る。
ときには亮が羨ましいとさえ思う。
何かしらの目標を持つ。それは素敵なことなのだと、口にせずと琉太は感じている。
その姿を見るのが楽しいのだ。
湯船で、ぼうっと天井を見ていると額に汗がにじむ。
これ以上はのぼせると判断して、湯船を出て、また体を洗ってかけ湯をしてあがる。
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