さようなら、きみと私の真夜中の恋

3/3
前へ
/3ページ
次へ
昔、中学生の頃クラスメイトの男の子優くんが交通事故で亡くなった。 私はその子ととても仲が良かった。 病院に行った時、私は 「やだ!死なないで!行かないで!」 と叫んでいた。 今思えばあれが初恋だったのかもしれない。 「さきちゃん。…サッキー」 「え?」 その"サッキー"という響きが懐かしかった。そしてその呼び方をしてたのは優くんだけだ。 「ゆ、優くんなの?」 さとるくんは答えない。ただ、にこりと笑顔を浮かべただけだった。 「サッキー。大好きだったよ。」 今にもさとるくん。違う。優くんは消えそうだった。 「ゆ、優くん。わ、私も大好きだった。ありがとう」 「サッキー幸せになってね。」 そう言ってさとるくんは。優くんは消えてしまった。 それから彼が現れることはなかった。 でも、私の心の中には今も彼が生きている。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加