さようなら、きみと私の真夜中の恋

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いつも時計が夜の12時を指すと、きみは姿をあらわす。 一人暮らしをしている私は寂しくなる夜もあったけどきみがいてくれたから私は頑張ってこれたんだ。 「さきちゃん。こんばんはー」 どこからともなくきみは現れる。 私は彼をさとると名付けた。 「さとるくん。」 彼は世間一般的に言えばお化け又は幽霊というやつだろう。 私は全く怖くなかった。寧ろ一緒に過ごせるのが楽しかった。 毎日話していたある日のことだった 「さきちゃん。僕と会えるのは今日が最後だよ。」 突然放たれた言葉に私は固まってしまった。 「どうして?」 「さきちゃん彼氏ができたでしょ?だから、僕はもうそばにいてはいけないんだ。」 そうさとるくんの言うように今日告白された。 そして私はオッケーを出した。 「でも。さとるくんは幽霊だから、そばにいてもいいんじゃない?」 「きっと僕はきみの幸せの邪魔をする。だから、僕は消えるよ。」 私は無意識のうちに言葉を放った。 「さとるくんに会えなくなるなんてやだ。私さとるくんが好きだよ。」 自分でも驚いた。 好きと言ったことに。私は憧れの先輩に告白されて、喜んでオッケーを出した。はずなのに。 憧れであって、好きではなかったのだろうか? 「ありがとう。でも、僕はきみに触れることもできないし、ずっとそばにいれない。僕はさきちゃんを幸せには出来ないんだよ。先輩とこれから付き合っていけばさきちゃんは幸せになれる。」 「さ、さとるくん。いや。行かないで。」 昔の記憶が蘇る。
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