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平安の中頃、周防の山奥に一人の破戒僧ありけり.
親が禍い受けたるが故、禍いジュニアと呼ばれたり.
禍い廃絶の為、酒呑童子が如き姿となりて優婆塞の集団に入り、而して平和と名付けたる経文を自らの作と称し、詠み聴かせたる.
人々、感心す.
時の右大臣、平和の釈義を、争い而して戦う可し、と改めたり.
是は衛府の官人の作文なりと云う.
右大臣に尻尾振る瓦版屋、破戒僧の疑惑を追及す.
―― 奥付 ――
創作絵本『破戒僧の事』
著者:茜町春彦
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