黒は美しい色

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星たちはクルクルと地上を眺めながら夜空を彩り踊る。 その姿を全て見詰める事は出来なくなった。 人は火の扱いを覚え、灯を作り、夜を昼のように変えた。 大地の温かみを無機質な物に変え、素足から自然を遠ざけた後、手を伸ばしても届かない空へと挑む。 人の(とど)まることの出来ない空にいる物に憧れる。 『ほら、どう?キレイでしょ?』 僅かに眺められる小さな光りたちは、そう囃し立てながら移り変わる地上を見詰めて微笑んでいるよう。 その光りに向かい人工灯の輝く地上から告げてみるの。 「私に輝きをちょうだいな」
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