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「ずっと言いたかったのに、空野くんったら私の話をちゃんと聞いてくれないから」
「……ご、ごめん。古海さんが可愛すぎて」
「それなし! 嬉しいけど、ちゃんと私を見て!」
告白なんて予想外だったとばかりに、空野くんは動揺していた。
また変な発作がはじまるだろうかと不安に思ってしまったけれど、そんなことはなく。空野くんはしっかりとしたまなざしで、私の手を握りしめる。
「……バレてたかもしれないけど、俺も古海さんが好き」
空野くんが私のことを想ってくれているのは毎日伝わってきていたから、つい笑ってしまう。
今日だって何回、空野くんの気持ちを聞いただろう。
好いてもらえているんだと思うと嬉しかったけれど――いまの方が、もっと幸せ。
「私、空野くんの彼女になりたい。たくさんお話をして、一緒にいて、文化祭だって一緒にまわりたい」
「俺の方こそ、古海さんに――って、ああ!?」
素っ頓狂な声をあげたかと思えば、空野くんはぱっと私の手を離した。
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