ぜろ記念日ラブオール

4/13
前へ
/13ページ
次へ
【二時限目 英語Ⅱ】  数学の先生が予言した通り、早々に私は指されてしまった。  指定された英文を読み上げると、空野くんが悶える。 「発音萌え……耳が清められた。俺はアルファベットになりたい」  アルファベットになったら、付き合えなくなると思うんだけど。  もちろんこの悶えっぷりもクラス中に筒抜けである。慣れているのでクラスメイトはみんな真顔だ。英語の先生だけが笑っている。 「空野くん、今日も元気そうで何よりです。古海さんも大変ですね」 「あ、あはは……そうですね……」  空野くんに好かれているのは嬉しいけれど、こうして何度も悶えられていると恥ずかしい。面と向かって言ってほしいのに。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加