免れた世界

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僕は真夜中に集まるのが日課になっていた。中学三年生で思春期真っ只中で僕に恐いものなんか無かった。 今日は、学校に忍び込む。帰りに窓を開けていたのですんなり入れた、入ると昼間の学校とは違い遠くの音が聞こえるほど静かだった、僕は恐怖より幻想的な光景に魅了されていた。 なぜなら、月明かりが校舎に映り出されていたからだ。僕は目が離せずにいた。 異次元の世界に来た感じがしていると、背筋に視線を感じ、恐る恐る確認すると白いネコが僕の方に向かって来た、ビックリして目を閉じてしまった少し経った後に目を開けると昼間の世界になっていた。 何処からか声が聞こえてきた「夢の世界」僕は辺りを見渡したが声の主は見当たらない、唯僕が今ネコになっていること何故か知らないが理解出来ていた、取り敢えず探索する事にした。 いつも見てる景色より周りが大きく感じる一人の少年が僕に近寄ってきた「かわいいね」僕の頭を撫でながら言ってくれた、僕は嬉しくなり鳴き声を上げた。その後も老若男女問わず色々な人が声をかけてくれたり撫でてくれた、その中で一際紳士的な格好をしたおじさんが近付いてきて僕に向かって「帰ろうか」と言ってきた。僕はおじさんに抱っこされながら帰路に着いた。 家に着くとおじいさんは今日あったことを話し始めた、「今日は街行く人に優しくして貰った、私がカバンを忘れていたら届けてくれたこの国は素晴らしい感謝をしよう」ある程度今日の話を終えると、不思議な話をしてくれた。 「私には使命がある、みんなに感謝に気持ちを伝えること人間だけでは無く森羅万象全てのモノにだ。人間は今の世界が当たり前だと思い過ぎているだから感謝が必要なのだよ」ひと通り話終えるとおじさんは、自室に戻って行った。 また何処からか声が聞こえてきたと同時に目の前が暗くなり夜中の学校に戻って来ていた、白いネコが僕の前にいて「想いひとつで世界は変わる」と言って何処かに去っていった。 出ていたはずの月明かりも消えていて不気味に感じた僕は帰ることにした、家に着くと家族は眠り誰も心配そうに待ってくれている人は居なかった、自室に戻って僕は口に出して言った「所詮現実なんかこんな感じだよ誰も心配なんかしてくれない感謝なんかいらない」僕はそのまま眠りについた。 三日後、隕石が落ち僕の世界は終わりを告げた。 感謝をしていたら免れたのかもしれないサヨナラ僕の世界。
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