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高校に入学してから、自分から積極的に友人は作らなかった。
新しい高校生活への期待に膨らむ高校一年生というのは、友人になろうという気概のない人間を見分ける能力が高いようで、僕は苦労なく孤立した。
地元の同級生が何人か同じ高校に通っており、彼らも最初のうちは声をかけてくれていた。しかし、僕はそれを素っ気なくあしらった。中学時代とはまるで違う態度だが、事情を知っている友人達はそれを責めることはなかった。彼らはそっと僕から離れ、新しい同級生の輪に入っていった。
高校の屋上が施錠されていないことに気づいたのは一人になれる場所を探していた時だった。
それからは、昼休みや放課後を屋上で過ごすことが多くなった。滅多に人が来ることはなく、積み重ねられて背丈ほどの高さになった室外機に隠れれば煙草を吸ってもバレなかった。
室外機を背に、灰皿代わりの空き缶を両足の間に置いて隠れるようにしゃがみ込む。ポケットからジッポを取り出して煙草に火をつけた。
別に美味しいとは思わない。煙が喉に引っかかる感じも心地よいものではない。
なぜ煙草を吸っているかと聞かれたら、自分の体を痛めつけていることを自負できる分かりやすい行為だからだと答える。世間の通説によると、煙草は死を早めるそうだ。
煙を飲み込み、空に薄い白煙を渡す。梅雨明けの空はいつにも増して青く見えた。
用宗大志から初めて声をかけられたのは、そんな青空の下だった。
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