2.亡くなったはずのあなた

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 え、ええええ!!?  あの時両思いだったんだ。今更ながらに告白できなかったことが本当に悔しい。 「あの、比沙子さん、僕も……」  しかしその言葉は、無粋なアナウンスにかき消されてしまった。 『まもなく、紫波(しわ)サービスエリアに着きます。15分の休憩です。発車に遅れないようにご注意ください』  気づけば午前3時。岩手県に入っている。話しているとあっという間だ。 「ちょっと降りようか」  どちらともなくそう言いだして、二人で真夜中のサービスエリアに向かうが、やっているお店はなく、人もまばらだった。自販機で冷たい飲み物を買って、休憩コーナーに座って二人で飲む。とりあえず仕切り直しと行くことにした。
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