1.鎧

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古着屋さんのアルバイトを終え、家に向かい歩いていると、前から歩いて来た男に声をかけられた。 「あの、今一人ですか?」 その声は弱々しく、少し震えている。 そんなに怖いなら、声なんてかけなきゃいいのに。 「見ての通りですが」 声をかけられた事が久しぶりな上に、普段から同僚としか話をしない私も、少しどもってしまった。 「友達からでいいです。よかったら連絡先教えてもらえませんか?」 その男は、男性という表現はあまりしっくり来ないくらい、まだ幼さが残っている。 黒くて少しパーマがかかった髪にさわやかな服装、地味なリュックを見る限り、その中には教科書や参考書が入っているのだろう。
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