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2.拓也
雰囲気の良さそうな居酒屋を見つけて入ると、店員さんは一瞬目を丸くした。
その反応で、私と彼は異色な組み合わせなのだろうと改めて実感できた。
そして私たちは個室に案内された。
「何飲みますか??」
メニューを開き二人で眺める。
「梅酒。君は?」
「俺も決まった。呼ぶね。」
男の子はそう言うと、ボタンを押し注文をしてくれた。
しばらくすると、梅酒とウイスキーがテーブルに置かれた。
それと適当に頼んだつまみ。
「あと、俺、拓也って言うんだ。」
ウイスキーを一口飲むと、拓也はそう言った。
私も梅酒を一口飲むと、自己紹介をする。
「サキ。21だよ。拓也は大学生?」
「そうだよ、何でわかったの?」
拓也は顔をしかめて私を見つめる。
自分の見た目がザ・大学生だという自覚はないようだ。
「見た目で、なんとなくね」
そう言って拓也に向かって笑顔を見せた。
すると目の前の真面目君は、何故だか頬を赤らめて俯いた。
お酒のせいだろうか、私まで顔が熱くなる。
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