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「ねぇ、知朗君だから相談するんだけど、最近男子の様子おかしくない?」
そう言われてみると、知朗にもなんとなくそんな気がしないでもない。
確かに、恵が転校して来てから、クラスの男子は妙に纏まっている気がする。勿論、恵への反感という点においてだ。しかしそんな事を、男子である知朗が女子に言える筈も無く。だから逆に愛に訊ねてみた。
「いいや、愛ちゃん、何かおかしな事でもあったの?」
「実はここだけの話だけど、恵君の持ち物が無くなったり机の中が荒らされてた事があったんだって……」
愛は小声で、しかしよく聴こえる様に知朗の耳元に囁いた。
知朗は少し嬉しかったが、愛から恵の名前が出た事には少しがっかりもした。
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