第二章

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 手紙にはこう書いてある。 「クラスの女子です。訳あって名前書けないの、ごめんね。恵君とお友達になりたいので、放課後音楽室で待っててね。Iより」  これは放課後音楽室に居る恵をクラスみんなで笑い者にする計画なのだ。知朗は愛ちゃんをダシに使う事に釈然としない思いがあった。 「仕方ないだろ! 仲のいい愛ちゃんのイニシャルだからきっと来るさ!」  そんな義男の言葉に、知朗はこんな時、父親なら何というか考えていた。 「知朗は愛ちゃんが好きなんだろ?」「好きな子の友達が虐められたら知朗はどう思う?」  でもクラスメイトに嫌われるのも嫌だよ。
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