第三章

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「お父さん、恵君と友達になったよ」 それを聞いた知朗の父親は大層喜んで「クラスの子達とも仲良く成れるといいな」と、言った。  次の日の教室で、知朗は何時もと変らず元気に挨拶をするも、返事は殆ど返ってこなかった。恵を除いては。  異変に気付いた知朗は愛に尋ねてみる。  愛の返事は、「男子が知朗君の事、裏切り者って言ってるの」そして「女子も知朗君は男らしくないって、だからごめんね」だった。  その日から恵と知朗はクラスの中で孤立した。知朗は義男や他の男子に誤解を解こうとしたが、耳を傾けてくれる者は居なかった。みんな争いごとに係わるのが嫌だったのだ。  そしてクラスの中で浮けば浮く程、恵と知朗の友情は深まっていった。
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