第三章

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 知朗は恵が好きだった。最初はあれ程嫌っていた相手だというのに、今では親友と言える程に好きになっていた。同じ都会の子だからではない。まさにお互い馬が合うという表現がぴったりとくる程、仲がよくなっていた。何より転校して来てから、何事にも無関心で、無表情だった恵に屈託のない笑顔が存在する事を知り、断然好きになっていた。ただ、ふとした瞬間に合った目線に、恵は目を逸らすのが気になっていた。
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