第四章

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 やがて掴み合いになった知朗と義男の間に、恵が止めようと割って入る。しかし小柄な恵では二人を制止する事は出来ない。  止められれば止められる程、喧嘩はヒートアップするものだ。遂には、勢いあまって二人は恵を突き飛ばしてしまった。硬い床に跳ね飛んだ恵の体は、床を滑ると机の足に当って、ようやく停まった。  そこへ血相を変えた人吉(ひとよし)先生が愛に連れられ、ようやく現れた。 「あなたたち何やってるの!!!」  しかし、それでも恵は起き上がらなかった。
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