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――ペタ、ペタ。
「……っ!?」
また、足音がした。
急いで部屋に戻って窓の外を見てもさっきと特に変わったところはなし。
そしてもう一度玄関に戻って覗き穴を覗いた先に。
――ピエロが、いた。
「……っ」
サーカスなんかで見るような、顔を白く塗り、ペイントを施し、赤い布地に白い水玉模様の服、服とお揃いの三角の帽子。
そして一番目立つ――ふっくらと厚めに塗った、真っ赤な唇。
どこからどう見ても、ピエロ。
けれど何でピエロが、ピエロの格好のまま、こんな真夜中にアパートにいるんだ。
ありえない光景に、息をするのも忘れてしまうほど、ぞっとした。
ピエロは集合ポストのところに立ち止まっていたかと思えば、一段、また一段と階段を上ってくる。
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