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立花悠一。ごくごく普通の、どこにでもいる高校二年生。趣味は読書(マンガ)、特技は寝る事。好きなタイプは……
まぁ、自己紹介もこの辺にしておこう。
結論から言うと、今、俺は幽体離脱をしているらしい。
そう思う根拠はこの前やっていた心霊系のテレビ番組だ。その番組内であるお笑い芸人が幽体離脱をした事があると話していたのだが、その内容と俺の状況が酷似している。
深夜という時間帯も、寝ている間であるという事も、そして眠る自分を見下ろす形で浮遊していたという事も。
勿論、好き好んで幽体離脱をした訳ではない。今日だっていつもと同じようにベッドに入り、いつもと同じように少し夜更かし(読書)をし、そしていつもと同じように寝落ちした。ただそれだけだ。
「それにしても、俺って本当に寝相良いんだなぁ」
呟きながら、眠る自分を見下ろす。幼い頃から両親によく言われたものだ。お前は寝つきの良さと寝相の良さなら世界一になれる、と。当時を思い出すとなんだか懐かしい気分になってくる。
そんなたわいもない事を考えている内にも、時間は刻々と過ぎていく。幽体離脱なんて、こんな体験は滅多に出来ない。というか今回が最初で最後だろう。
そうなればやる事は一つ。
「よし、外に出よう!」
そう、幽体離脱の定番!深夜の街を飛行しながら散歩。これに限る!
俺はそう決めると、胸を弾ませて部屋の壁をすり抜けた。
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