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「ロベルト、あなたと私はずっと一緒。私が死ぬまでここにいて。必ずいつか迎えに来るわ」
お針子の――シンシアが静かに呟いた。魂が抜けたような、焦点が定まらない目つきで。
私は強張った足を必死で動かして、なんとか部屋の方へ後ろずさった。
そうだ。あのブロンドの娘は……
私の恋人のシンシアだ……!
シンシアはあざ笑うように私を一瞥した後、手に持っていた金縁眼鏡を死体の穴に放り込んだ。
そのあとは、丁寧に丁寧に土をかけていく。
「やめろ……シンシア、君だったのか。すまない……やめてくれ……!」
私は頭を抱えて震えながらシンシアの凶行を見つめる。動けない。
身体が固まったように窓辺に固定され、シンシアから目を離せない。
シンシアは地面をすっかり元に戻し、最後に埋めた跡を愛おしそうにしばらく撫でていた。
そして、暗闇の中ですくっと立ち上がり、遠くを見る。
「シンシア……違う。愛していたんだ、それは本当なんだ。頼む……」
私の言い訳はもはや聞き入れられない。
シンシアは私に一瞥もくれず、闇の中に静かに消えた。
「どういう……どういうことだ……」
私は窓とカーテンをしっかり閉め、部屋の真ん中に座り込んだ。
そして、混乱した頭で今までのことをゆっくりと思い返す。
毎晩真夜中に現れていたあの女は、私の恋人・シンシアだった。
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