真夜中、二人のバラ園で。

バラ園の密会

予想通り次の夜、二人の手はしっかり握られていた。
彼女の怒りも一日経って落ち着いてきたのだろう。昨夜の勢いは全くない。
まことに面倒くさい話だが、若い頃は感情のぶつけ合いを繰り返し、日々が過ぎる。

二人はその後も何回も喧嘩をした。
時には双方声を荒げ、時には彼女が帰ってしまう事態にも陥った。
けれども次の日は必ず仲直りしていたので、特に心配はしていなかった。
村娘は概して血気が盛んなのだ。わかる。彼もそれに気づいてうまく立ち回れるといいが。
私は微笑ましい気持ちで二人を見守った。