見知らぬ無人駅

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「泣かないで、明ちゃんあの時僕は君が来ていたら僕は君を連れて行くつもりは無かった。君が来ても来なくても僕はあの最終電車に乗るつもりだったんだ。」 その言葉を聞いた女は男の子に詰め寄った。 「何故?!私が嫌いだったの?」 すると男の子は静かに答えた。 「君が不幸に巻き込まれるのはゴメンだからね、身を引いて、街から元々離れるつもりでいたんだ、もちろん、君の家族にも言われたけどね…でも最後に君にあえて良かったよ」 すると女は聞いた。 「最後?」 「そう僕の魂がここに居れるのには限られた時間があったんだ」 そう言うといつも見ている電車がこの2人しかいない無人駅に到着した。 「君はこの列車に乗って帰るんだよ」 すると女は駄々をこねるようにまた泣き出した。 「優作くんとここに残る!」 そういう女の背中を男の子は押し女を電車の中に入れると、すぐに扉がしまった。 女は扉をドンドン叩きながら1人電車の中で泣きじゃくっていた。 そんな女を見送りながら男の子は何かを言っていた。 その声は中には聞こえはしなかった……。 そして、次目を覚ますと地元の駅にいた。 名前の分からない見知らぬ無人駅ではなく、現実であろう見覚えのある地元の駅に。 女は起き上がると、自分の目から涙が流れているのを確認した。 そして、無人駅にいた事を現実だと判断した。 女は、男の子が最後に言った言葉を思い出した。 「口元しか見えなかったけれど、優作くんは”愛してる、いつまでも…”って言ってた……」 その言葉を改めて、口にすると女の目からは涙が流れてきた。 そして女は祈るように手を握りしめ、 「ごめんね…」 と呟き始めると、女の後ろから声がした。 「泣かないで、僕は君のそばにいるから…」 その声に女はハッとし、泣くのをやめて前に進み始めた……そう君と共に。
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