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そんな事はどうでもいいか……。
どうすべきか考えなければいけない。
落ち着いて考えようとするがその横には高校の制服姿のナツミがいた。
どうしてナツミがいるんだ?
俺の記憶ではライカ一人のはず……。
「君が母に手紙を書くように言っただろ?」
ああ。
「まあ、副産物があったから容認したけど、それで少し変わったんだよ」
バタフライ効果か?
「人間の言葉で言うとそんな所だね」
「兄さん!」
ナツミがライカから離れ、俺の方に駆け寄ってくる。
「何でこんなところにいるんだ?」
「オープンキャンパスだよ。そんな事はどうでもいいの。今日、家出る時、元気がなかったでしょ? どうしたの?」
一瞬、ナツミが母と重なる様に見えた。
「え? 俺、寮に住んでないのか?」
「はい? 大丈夫、兄さん? 実家が近くにあるのにどうして寮に住むの?」
これも手紙の影響という事か……。
「ライカさんもなんかいつもと様子が違うし……。あっ! もしかしてついに付き合っちゃうの?」
「ば、ばか!」
ライカが遅れて俺のところまで来ると笑い始める。
「ふふ。今日も仲いいね。」
ナツミはライカに笑顔で答えた。
「はい。母さんとの約束ですから。」
「二人はずっと仲良くね。だったよね」
「はい!」
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