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含みのある言葉に少々苛立ちを覚える。
だが、こいつが言うようにおかしなことがある。
俺は大学に向かおうとしていたはずだ。
それなのになぜかこんな所にいる。
突然襲った暗闇。
そしてこいつの発言……。
まさか交通事故かなにか?
「やるじゃないか。人間。その通りさ」
こいつ、さっきから俺の心を読んでいる。
「……俺は死んだのか。この後、どうなるんだ?」
「それを決めるのは君だよ」
意図が読み取れない。
それもそのはず死んだ後にどうするかなんて誰が分かるんだ?
「仕方ないな。また僕が教えてあげるよ。」
ヒカルは椅子から立ち上がり、俺の周りをぐるぐると回り始めた。
「死んだ人間は魂の源流に帰る。だけど君は僕に選ばれたんだよ」
「そいつは光栄だな。選ばれるとどうなるんだ?」
ヒカルは俺の正面に止まり瞳をのぞき込む。
「君にやり直すチャンスをあげるよ」
「やり直すチャンス?」
ヒカルは不気味に微笑む。
「君は本来、死ぬはずじゃなかったからね」
「へえ、それで今度は異世界で生き返らせてくれるってことか? そして次はチート能力でもくれるのか?」
「異世界ではないけど、もちろん能力はあげるよ。後悔をやり直せるというチートさ」
後悔……。
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