ファイルNo.9 黒井博士との会話

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ファイルNo.9 黒井博士との会話

「てっきり太平洋を横断するかと思ってましたよ。まさか、これから行く目的地が中国の奥地だとは」 『今からお話する問題は、もう世界的な問題になりつつあります。また、例のものと同様、否それ以上のものをご覧になると思います』 「それ以上のもの?写真のより?」 『はい、目にしたらきっと驚かれます』 「・・・・・。そうですか・・・。」 『何かご不満な事でも?』 「いや、例のDNAの事なんですが、何故か………人間のものと大差ありません。しかし、この羅列の情報を読み取ると脳の先端巨大症を患っていた可能性が高いですね。」 『先端巨大症?』 「はい、脳の下垂体前葉の成長ホルモン分泌腺細胞がその機能を保ったまま腫瘍化し、成長ホルモンが過剰に産生され、手足や内臓、顔の一部分が肥大する病気です。別名、末端肥大症もしくはアクロメガリー。また、〝巨人症〟と一般に称される状態はこの病気です。」 『なるほど、巨人症ですか』 「それだけでは、ありません。」 『他に何が?』 「これは、ウィルスの可能性があると見ているのですが…」 『ウィルス?』 「そうウィルス。 あなたはこれが〝自力〟で復活した。と申していましたよね?」 『はい、そうです』
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