第十章~動き出す歴史~

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二夜「うっ...」 視界がぐらつくのと同時に胸の辺りに痛みが走る。 急なことで体が追いついていけず膝を着いてしまった。 山崎「更夜!?」 斎藤「大丈夫か!?」 一呼吸すると痛みが引いていった。 二夜「大丈夫です。寝起きなので目眩がしただけです。」 山崎「ほんまに大丈夫か?」 二夜「いつもの事だから。」 二夜はこの痛みの原因が分かっていた。 それは寝起きのせいでも目眩のせいでもない。 ーーー死病ーーー 現代で死病と分かってから今まで特に症状は無かったんだが...。 けれどこの痛みが初めての症状となると、後がきついな。 さっきの胸の痛みは一瞬だったが、胸の辺りが握りつぶされるような強い痛みだった。 改めて自分には『3年間の寿命』があると言うことを思い知った。 詳しく言えば...残り2年7ヶ月の命。 私の命が尽きるのは...この世界の1866年の4月だ。 斎藤「本当に大丈夫か?顔色が優れぬ様だが...」 二夜「気のせいだと思います。」 にこっと貼り付けた笑顔。 まるで...近づくなと言わんばかりの笑顔だ。 斎藤は気を使ってか、何も聞かなかった。
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