第十一章~妖刀~

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始まりの合図とほぼ同時に土方は二夜との距離を縮めた。 土方「そう簡単にはいかねぇか。」 土方は一歩下がり、二夜との距離を置いた。 その一連の動きだけでも、一輪の花びらが舞うように美しい。 そんな美しさとは裏腹に土方は口角を少しばかり上げると、開いたはずの二夜との距離をまたもや縮める。 沖田さんと似ているようで違う戦い方だ。 土方さんは戦闘中に相手の弱点を徐々に探っていく様だ。 現代では暗殺をしていた為にこのような相手に出会った事は無かった。 未知の敵...とまでは言えないがどんな方法で私の弱点を探るのか...。 二夜の口角は自然と上がっていた。 さらに髪の毛の影も重なり、ますます恐怖心を煽られる。 狂気に等しい程の...不気味な笑みだった。 沖田「へえ...。」 土方の長い黒髪がさらさらとなびく。 二夜が土方の頭上に木刀を振り下ろしたのだが、土方は鍛え上げた反射神経でなんとか避けた。 だがその時に土方の長い黒髪をまとめる元結が二夜の木刀によって斬られたのだ。 木刀だというのに斬ってしまう事にも沖田は驚いたが、当の本人達は気にせずに試合を続けている。
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