第十一章~妖刀~

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二夜「おっと...体術なんて聞いてませんよ。」 土方「実戦じゃそんな言葉は通用しねぇよ!」 確かに実戦ではそんな言葉は通用しない。 前に歴史の書物を読み漁っていたのだが、土方は相手の顔に泥を掛けてでも勝利を掴みに行ったらしい。 こんなに夢に必死な目の前の彼の心は、まだ少年のままなのかもしれない。 二夜「ふっ...」 そう思うと鬼の副長という名の異名が目の前の彼にある意味ぴったりだと思えてくる。 先程とは比べものにならないくらい素直な笑みが零れた。 土方はその笑みに試合中だというのに見惚れてしまっていた。 二夜「隙ありです。」 土方は見惚れていた為、最後は二夜が首に木刀を突きつけるだけという風に呆気なく終わってしまった。 土方「もう一回だ!今度は油断なんかしてやらねぇ!」 沖田「実戦じゃそんな言葉は通用しないんじゃ無いんでしたっけ?」 沖田さんが横から顔を出して来たと思えば、直ぐに土方さんの癇に障ることを言う。
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