第十一章~妖刀~

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山崎「ここやな。」 山崎が指をさしたのは、古いながらもしっかりとした柱に支えられている鍛冶屋だった。 もちろん刀やくない、手裏剣などの武器が売ってあるため人は近づこうとしない。 騒がしいのはあまり好まない自分に取っては好都合だが。 二夜「店員さんは...」 そう呟くと店の奥から70歳くらいの柔らかい表情のおじさんが出てきた。 とても武器を造ってるようには見えないが、あの手の傷や他に店の者と思われる者が居ないことから、このおじさんが店長なのだろう。 店長「おやおや、若者が...何をお探しかね?」 二夜「店長。この刀を見てほしい。」 そう言って差し出したのは私の愛刀『赤花』。 店長「これは...ちょっとそこに置いてくれるかね。」 店長に言われるがままに指定された大きな台に刀を置く。 店長「抜いてみてくれ。」 どうして自分で抜かないのだろう。 と、不思議に思いつつも刀を抜き、店長に見せるように置き直す。 店長「この刀の名前の他に、この刀について何か知ってる事はあるかい?」 二夜「昔から使っているんですが、錆び付いたり刃こぼれしたりしてないんですよ。」 店長「『あかはな』...と言ったね?」 その問いにこくんと頷く。 店長「この刀は...『せっか』とも言うんだ。...恐らくこの刀は妖刀だ。」 薄々そんな気はしていたため、あまり驚いてはいなかった。 それは斎藤さんも烝も同じだった。 でもまさか、噂の妖刀とやらをずっと使っていたとは知らなかった。
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