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Chapter3
話は去年の夏大会に遡る。
去年の三年生は、選手16名、マネージャー2人の計18人で、しかも珍しくシニアやボーイズのレギュラークラスも何人かいて、近年最強と言われてたはずなのに、それでもなかなか勝てなかった。
新チーム結成直後の秋は県大会ベスト4だったけど、春、そして最後の夏とも二回戦負け。
最後の夏は、思いっきり“格下”の相手に負けた。
相手の小柄な横手投げの変則左腕は、球速は遅いけど、コントロールが良く、なかなか捉えきれない。
“いつか打てる”はずが、イニングが進むにつれ、焦りに変わり、難しい球に手を出して凡退。
こういう時は、ラッキーパンチで勝負が決まるのは良くあること。
しかも相手に。
先に点をやれないプレッシャーでウチのエースの先輩も疲労が増し、終盤8回に二者連続フォアボール。そして迎えた次のバッター。
止めたバットに当たった打球がフラフラとファーストの頭を越してフェアグランドに落ち、そして転がらず止まる。
ライトがボールを掴む頃には既に2塁ランナーが生還し、結果それが決勝点。
先輩たちの夏は、あっさりと終わった。
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