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俺は走っていた。
走って、走って、躓きながらもとにかく必死に盲目になんとしてでも走っていた。
逃げたかったからだ。あいつから、逃げたかった。
僕が本当に逃げたかったものはあいつじゃなかったはずなんだけど。
なんでこうなってしまったんだろう?
走りながら振り向き後方を確認する。大丈夫、追いかけてきてはいない。
夢でも見ていたのではないかと思う。こんな夜更け、誰も俺を助けてなどくれない。
後ろから「ごめんネ」という音が聞こえた。
正直俺はその声に立ち止まり、振り返ってなにか返答をする気にもなれない。
怖かったから。
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